しょしごと。

賛否両論、自画自賛。明日天気になるがよい。

拝啓、図書館の本を濡らしてしまいました。

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雨と本とはいりさんと。 

 

木曜、私の住んでいる場所で雨が降った。折り畳み傘ではまったく防げない程の久しぶりの大雨だった。すべてのうっぷんを流すような、そんな雨だった。

 

 

まぁ、本を濡らしましたよ。

 

私は図書館で本を借りるのをなるべく習慣化している。NZに行った時に本は高価でとてもじゃないけど買えないと実感し、NZの半分はウェリントンの図書館で過ごしたようなものだった。(wi-fiフリーだったしね)帰国後、お金を貯めることを決意した私は、本は図書館で借りようと決めた。調べると結構豊富にそろっていて、ネットで予約して取り寄せて貸し出しをしてくれるようだった。

 

通勤電車30分。最近はスペイン語を聞いているがどうしたって気分が乗らない時がある。そんな時は、図書館で借りている文庫を持ち歩き、ぺらりと見るのだ。

私は通勤時間という会社に行く前のドナドナタイムには物語を見ると感情がめんどくさくなるので、ひたすらエッセイや史実などを読むほうがいいと思っている。なので、最近は片桐はいりさんの「もぎりよ今夜もありがとう」を呼んでいた。1話1000~2000文字のエッセイなので非常にテンポがよく読みやすい。ああ、はいりよ今日もありがとう。と謎に満たされて会社の最寄り駅に降りるのだ。

 

 

もぎりよ今夜も有難う

 

そんなある日に事件は起こった。ていうか、降った。雨がめっちゃ降った。どうして傘をもってこなかったのですか?すいません、ニュースを見ていませんでした。そんな会話が脳内で繰り広げられる。やべーやっちまった。そんな私に会社の同僚が折りたたみ傘を貸してくれたのだ。グラシアス。

 

小さな折りたたみ傘じゃ、リュックまで防げないのはわかっていたが、私のリュックはインスタの広告でみかけた防水スマートリュックなのだ。ふふん♪へっちゃらさ、へっちゃら。そう思っていたが、家に帰ってリュックを見るとめっちゃ濡れていた。財布も色が変わっていた。防水とは……!と思ったが、まぁ別に怒ることもない。

 

そして、前ポケットにいれていた本は最悪の状態だった。下半分びっしょりんこだったのだ。よれよれで、クリーム色の綺麗な紙が完全にやばい感じになっていた。文字がにじんではいないけれど、かわかそうにもかわかせない。とりあえずネットで調べてティッシュを各ページにはさんで寝た。

 

そして2日後……まだ濡れていた。これはやべーなと思う。図書館に説明しにいかなければ。弁償か?弁償だろうな。そう思いながらティッシュを交換していく。このままかわけば問題ないかな…一瞬よぎるも、でも汚した事実は変わらないから言いに行こうと思って、図書館に向かった。

 

「あの、本を汚してしまいました」

カウンターの司書さんにそう話すと「そうですか。確認いたします」と彼女は目を合わせることもなく本を受け取った。大切な図書館の本が汚されたのだ。今日一番の緊急事態だろう。(多分違う)

図書館の司書さんってのはいつだって冷静沈着だ。そりゃそうだ。本を司る者なのだから。普段大人しいけど、きれると怖そうだ。

私が汚した事実を確認するため、彼女はページをめくる。「ああ、これは……」と呟いたので、心の中で「そうです。片桐はいりさんが映画館でバイトしていた時の話をとじこめている素晴らしい一冊なんです」と答えていた。そういえばなんだかはいりさんに似ている。柔らかくも厳しいイメージだ。

 

「木曜の雨で汚してしまいました」

 

沈黙に耐え切れず、私がそう言うと司書さんは、「そうですか」と本をずっと眺めていた。嘘ではない。むしろ正直に告げた私をほめたい。自分で自分をほめてあげたいby有森裕子そんな気分です。しかし、私の「事実」は特に意味がないらしい。彼女はじーっくりと本を見続ける。さすがは本を司る者……入念なチェックだ。もしかしたら「あら、この本おもしろそうじゃない」とでも思っているのだろうか。まぁ、おもしろいですよ。実際に生きている人の感情や体験が出ている文章ってクセになりますよね。

彼女はゆっくりと本を確認し、閉じてパソコンをカチカチといじり、ようやくこちらを見た。なんかもう記憶の中で完全に片桐はいりさんで再現されている。

 

「こちらの状態ですと……弁償というかたちになります」

 

ハキハキとそうつげられ、「ああ、やっぱりか」と思った。そりゃそうだよな、何を期待していたんだろうと同時に思う。だって汚してしまったんだもの。しょうがないじゃないか。byえなり。それにネットで調べると大半は弁償です。と書いてあった。ああ、正直に言って戻せば「大丈夫ですよ~」て言われて終わりだと1ミクロでも思った自分を殴りたいな。

 

「えっと、今お財布もってなくて」

 

家から徒歩5分なのでいつもカードと携帯だけなのだ。ちょっと恥ずかしい。

 

「あ、大丈夫ですよ。この後、〇〇市から賠償依頼書というものが届きますので、そちらが届いたら本をご購入ください。もし、この本が在庫がない場合はこちらで選んだ同等の本を購入指定させていただきますので」

 

さすがははいりさん(ではない)てきぱきとわかりやすい説明ありがとう。ていうか、こういう人たくさんいるんだろう……すいませんね。

つまり、この本を買ってください指定の手紙がくるのでそれまで待っててねって感じらしい。その手紙が着たら、その指定された本を買えばいいとのこと。あと、汚損された本はもらえるとのことだった。あ、もらえるんです?やったね。

まぁ、本を買うことではいりさんへの応援もできるし、悪いことではないなと最高のポジティブ状態で私は「わかりました」と伝えサインをした。

 

サインをした後、私は予約していたスペイン語の本を受け取り、図書館を出た。なんかすっきりした。もやもやしていた気持ちが全然なくなっていた。そして、半分までしか読んでいないはいりさんの本を今度はゆっくり家でも読めるなと嬉しく思った。全てのことを悪く受け取らないように考えるのは得意だ。悪魔のジェンが「こっそり返せばよかったのに」と囁いたけれど……でも正直者は楽しい。素晴らしくストレスフリー。

 

かくして私は本の「賠償通知」を待つことになった。届いたら本屋に注文しに行こう。図書館ばかりじゃなくて、本屋にもたまにはいきたいな。そう思ったらワクワクした。なかったらamazonで頼むけど(結局)

 

今後は雨がいつ降ってもいいように、ジップロックを1枚持ち歩こうと思う。少し失敗してまた学んだな~と思い、今日もすがすがしい気分です。

 

はいりさんの本はまだ全部読んでいないので読み終わったら感想文でも書こうと思います。さて次は、小泉今日子のエッセイを読みたいなぁ。

 

 

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