しょしごと。

賛否両論、自画自賛。明日天気になるがよい。

よんぶんのイチ。

私には兄がいる。5つ上の超・兄貴。超・兄貴の「超」というのはなんというか、兄としての顔をたててもらいたがるからだ。そのくせ私には面と向かってからんでこない。5つも年が離れているとお互い育ってきた環境もなんとなくちがってくる。兄は父に厳しくされたし、私はわりと放置と甘やかされてきた。勉強はお互いできなかった。兄は音楽が好きで、音楽系で日夜励んでいる。私は突拍子もなく海外にいったことはったものの、まぁサラリーマンとして社会の歯車におさまってる。

 

そんな兄がこの度めでたく結婚したのだ。めでたい。

 

 

転職したばかりのわたしにもその結婚の報告はきた。そして「グアムで式を挙げるから」ということだった。転職したばかりである。グアム…有休…しかも、木曜日。まぁ、私は「仕事が忙しいのでいけません」と答えた。私と兄にとってこれは普通だと思った。お互いドライだから。しかし、周りからは「いかなくていいの?」とかなり批判めいた声をかけられることとなる。ううん……兄の結婚式にいかないってのは結構社会的に見ていけないやつだったのか。そう思った。

 

私と兄は仲が悪いわけでもなんでもなく、お互い「解釈違い」で生きているんだと思う。例えば兄は「俺は長男だから」ということを誇りに思っている。その割には動かないけれど。私は「男とか女とか家徳とか古い」と思っちゃってる。だから、家の話は多分とことん合わないだろうし、解釈が違うのだ。親とご飯を食べる時は親の食べたいものとスケジュールを優先する私と自分を優先する兄。親としては多分どっちだっていいのだ。私のことを「おまえ」と呼ぶ兄と「おまえって呼ばないでほしい。だったら、てめぇって返す」と冷静に答える私。ヒヤヒヤする家族。いやだって女だから?妹だからって名前で呼ばないのはおかしいと思う。と告げると兄はとても怒った。はいはい、でもまぁこうなるのもしょうがないなって思う。私たちは恐らく宗教が違うぐらい考え方が違うから。

 

そんな兄と学生の頃、1回だけ共通の友人をはさんで家で飲んだことがある。今思えば恐怖だ。先輩と兄と私。バレー部の先輩が、違う大学の兄にお世話になったことがあるということで、その宴は開かれた。妹の前で大酒を飲み、たばこを吸う兄。私はその子ころ、たばこを吸っていたけれど兄の前では控えていた。女がタバコなんて…というのが我が家の考えなので生まれてこの方、家族の前で喫煙者だと公言したことはない。今はもうやめたけれど、昔は必死に隠していた(多分ばれていたけれど)

兄はよく飲み、よく笑った。私は苦笑いと「おにーさん」と声をかけ何度も冷蔵庫からビールをとり、渡した。ほどよくして彼はこたつで眠りについて、先輩が「相変わらずだね、センパイ」と笑った。いやいや、なんかすいません。思えば坂口健太郎似の先輩だったけど、元気だろうか。先輩の優しい声とか忘れられないなといまちょっと思う。警察官なりたいっていってたけど、なれたのだろうか。なんとなく今思い出した。

まぁ、そんなわけで兄が寝た後、私は彼のたばこを拝借し寝てる横で吸った。今思えばばれてたのかもしれない。彼の赤マルはおもくてまずかった。どうして私は煙草を吸い始めたのかはわからない。高校の時みんな吸ってたから、かっこよかったから。理由なんてそんなもんだよなと思う。その時吸った赤マルがまずくてしょうがなくて、かっこわるかった。先輩は「大丈夫?ばれない?」と心配してくれた。大丈夫です、といってビールを飲んだ気がした。明日、兄が帰ったらいつものマルボロメンソールライトを吸おう。そう思った。

 

朝、兄はなにもいわずに「じゃあ、現場だから」といって音楽系の現場に消えていった。先輩が「ビールかたしとくね」といって空き缶をもって帰っていった。私は煙草くさい部屋で、自分のたばこを取り出して吸った。くっそ、まずいたばこだったなぁと思いながら、国道沿いの車のうるさい音を聞きながら友達に「バイトなかったらのみいこう」なんてメールをしたんだと思う。わかんない。ただ、らしくない飲みだったなぁと思ったんだ。

 

あれから、何年も経って何回も家族で飲んだ。家族で笑いながらお酒を飲み、その兄がもう結婚をしてお嫁さんも加わって楽しい呑み助一家になった。

結婚おめでとう、となけなしのお金を渡した時に「おお、ようやく祝い金包んだか」とか言った兄が憎らしくて永遠の解釈違いだなと思ったのを私は一生忘れない。いまだに私の名前をよぼうとしないその姿に腹が立つ。母に対して大きな声をだすのもむかつく。なんとなくすべてがむかつくし、多分永遠に仲良くなんてなれない。けれど、私と兄は永遠に兄妹なので、やっぱり兄がいなくなったら本当にこまるなぁと思う。

 

兄がグアムで式を挙げた後、日本でパーティーをした。あの兄のことだからめっちゃ派手にやるんだろうなと思った。その後、母から聞いた話によると、兄は結婚式直前に酔っぱらって道路で転び前歯二本を失ったらしい。急いで差し歯をして間に合ったらしいよと母は笑っていたが、とんでもねぇと思った。それと同時に、私も小学校の頃ケンカをして前歯1本すでに差し歯になっていることを思い出した。そうか、私たちは兄妹で4本をあるうち3本の前歯の永久歯を失ったのか。残りの1本はまだ私にある。

 

私はこの前歯を大切に守っていこう。そう思った。

 

いや、っていうかお酒で失敗しすぎだろ…私と兄。